STAP細胞、遺伝子が違う事件とトリソミー8事件

論文発表23日後に公開された論文遺伝子データ解析

下記の結果は一部2014年7月22日に訂正されました

STAP細胞解析と理研コンタミ事件はこちら

STAP細胞事件は散発的報道が続き、NHKニュースやワイドショーを延々と賑わしています。
オンライン上の科学者や科学ジャーナリストのご発言は、女性研究員が悪いのは自明というものが多いのですが、もし仮に各データが不整合でも本人・グループ・第三者の故意・過失だけではなく思いもかけない・つまらない原因ですら取り違えや汚染事故は生じ得るので、手間暇がかかる調査を経るまで結論は待つべきではと思っています。 枝葉を削ぎ、ミニマルな美を追求するのが科学者の方々の仕事ですが、不正や汚染の調査は泥さらいで真逆だと思います。

疑惑報道の始まり

STAP細胞 実験マウスに新たな疑問

STAP細胞を巡る問題で、小保方晴子研究ユニットリーダーがマウスから作り出したとしていたSTAP細胞2株の遺伝子を共同研究者が調べたところ、この細胞が、実験に使われていないはずの別の種類のマウスのものだったことが、関係者の証言で分かりました。専門家は、論文で出来たとされ凍結保存されている8株のSTAP細胞すべてについて詳しく調べるべきだとしています。

これは、神戸市にある理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの関係者が、NHKの取材に対し明らかにしたものです。
それによりますと、遺伝子が調べられたのは、共同研究者の若山照彦山梨大学教授が特殊な処理をして凍結保存していたSTAP細胞2株で、若山教授がどんなマウスからでも作製が可能か調べるため、小保方さんに論文の実験で使ったのとは異なる129系統という種類のマウスを手渡し、作製を依頼したものです。
小保方さんは、シャーレの中で129系統のマウスの細胞を刺激したところ、状態のよいSTAP細胞の塊が2つ出来たとして若山教授に渡したということです。
ところが、一連の問題を受けてこの2株の細胞の遺伝子を調べたところ、細胞は129系統のマウスのものではなく、いずれもこの実験には使っていないはずのB6とF1という2種類のマウスのものだったことが分かりました。
今回検出されたB6、F1、それに129の系統のマウスは、いずれも万能細胞の1つ「ES細胞」を作るのによく使われ、研究の現場では、これらのマウスから作ったES細胞が広く実験に使われています。
日本分子生物学会の理事長も務める大隅典子東北大学教授は、「STAP細胞が、実際にはES細胞だったのではないかという疑念を持つ研究者は少なくない。こうした疑念を晴らすためにも、理化学研究所は、今回の2株だけでなく論文の8株についても遺伝子を詳しく解析し、結果を早急に公表すべきだ」と話しています。
これについて理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長は「今後、詳細な検証を若山教授と協力しながら進めていきます」と話しています。
また理化学研究所の広報は「この問題について今の段階で、小保方自身がコメントすることはできません」と話しています。


lSTAP細胞 実験マウスに新たな疑問 2014年03月25日19:32 NHK「かぶん」ブログ

2014年6月3日オンライン上データ解析結果報道

NHKと毎日新聞サイトでほぼ同時に、オンライン遺伝子データ解析結果のリークがありました。(マウス・ラットの系統名)

STAP 存在に新たな疑念
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが作製に成功したとするSTAP細胞を培養して出来た細胞を詳しく分析したところ、この細胞は実験に使っていないはずの別の種類のマウスの細胞だった疑いが強いとする研究結果を国内の複数の研究チームが、まとめていたことが分かりました。 専門家は「STAP細胞は存在しないのではないかという強い疑問を抱かせる結果だ。理化学研究所はしっかりと調査すべきだ」と話しています。

このうち、横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員らのグループは、研究所の論文の不正調査とは別に分析を独自に行い、報告書にまとめました。
それによりますと、研究グループは小保方リーダーらが作製に成功したというSTAP細胞を培養して出来た細胞について、インターネット上に登録されている遺伝子のデータベースを使って詳しく分析しました。
その結果、この細胞は「F1」という種類のマウスから作ったとされていたのに、実際には、この実験には使われていないはずの「B6」と「CD1」という2種類のマウスの細胞だった疑いが強いことが分かったということです。
またNHKが取材したところ、別の複数の大学の研究チームも、これと同じ結果をまとめていました。 さらに、理化学研究所のチームが、これらの細胞の遺伝子の働き方のパターンを分析したところ、この「B6」のマウスのものとみられる細胞の特徴は研究の現場で10年以上前から使われている万能細胞「ES細胞」と似ていたということです。
また、もう1つの「CD1」のマウスのものとみられる細胞の特徴は、受精卵から作られる胎盤になる細胞「TS細胞」と似ていたということです。

専門家「存在に強い疑問抱かせる結果」
この分析結果について、遺伝子解析に詳しい東京大学の菅野純夫教授は「STAP細胞はES細胞とTS細胞が混ざったもので、そもそも存在しなかったのではないかという疑問は、以前から専門家の間にあったが、その疑問を強める結果だ。データや分析の手法などをみると、今回の結果の誤差は極めて低いと考えられる。理化学研究所は残されている細胞の遺伝子を解析するなどしっかりとした調査を行い、こうした疑問に答えるべきだ」と話しています。

理研「調査必要ないとの判断変わらず」
理化学研究所は「結果については把握していたが、STAP細胞の有無を結論づけるものではないと考えている。指摘のあった部分が含まれる論文については、著者がすでに取り下げの意向を示していることもあり現段階では調査する必要はないという判断は変わらない」とコメントしています。
これについて小保方リーダーの代理人を務める三木秀夫弁護士は、「理化学研究所の公式の調査ではないので、コメントできない」と話しています。


STAP 存在に新たな疑念 2014-06-03 19時23分 NHK「かぶん」ブログ

どのデータから考えられたものか明記されていないのですが、B6とCD-1との記載から、おそらくはWEB上のデータの下記ChIPSeq解析データからであると思われます。
CD-1はTS細胞に似ているもなにも、TS細胞です。
ct3/4:にgfp(光る遺伝子)があるC57BL/6(B6)がES細胞に似ている、という根拠はわかりませんでした。


Experiment Accession タイトル strain系統 発達段階
SRX472668 TS 細胞; ChIPSeq_input CD1 Trophoblast stem cells
SRX472667 TS 細胞; ChIPSeq_H3K27me3 CD1 Trophoblast stem cells
SRX472666 TS 細胞; ChIPSeq_H3K4me3 CD1 Trophoblast stem cells
SRX472665 STAP幹細胞(幹細胞由来); ChIPSeq_input C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472664 STAP幹細胞(幹細胞由来); ChIPSeq_H3K27me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472663 STAP幹細胞(幹細胞由来); ChIPSeq_H3K4me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472662 低pH、CD45陽性細胞; ChIPSeq_input C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472661 低pH、CD45陽性細胞; ChIPSeq_H3K27me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472660 低pH、CD45陽性細胞; ChIPSeq_H3K4me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472659 ES細胞; ChIPSeq_input C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472658 ES細胞; ChIPSeq_H3K27me3 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472657 ES細胞; ChIPSeq_H3K4me3 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472656 FI幹細胞(FGF誘発幹細胞); ChIPSeq_input C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472655 FI幹細胞(FGF誘発幹細胞); ChIPSeq_H3K27me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472654 FI幹細胞(FGF誘発幹細胞); ChIPSeq_H3K4me3 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472653 CD45陽性細胞; ChIPSeq_input Oct3/4::gfp C57BL/6(B6) CD45 positive cells derived from spleen(脾臓から)
SRX472652 CD45陽性細胞; ChIPSeq_H3K27me3 Oct3/4::gfp C57BL/6(B6) CD45 positive cells derived from spleen(脾臓から)
SRX472651 CD45陽性細胞; ChIPSeq_H3K4me3 Oct3/4::gfp C57BL/6(B6) CD45 positive cells derived from spleen(脾臓から)

F1(交配種第一世代)ではなく、(以前より懸念されていたように)ES細胞とTS細胞がまざったものが胚盤胞にいれられて発生したもの、という意味のようですが、正確にはどのような方法の可能性があるのか解りませんでした。

おそらくはSNPの解析だと思われるのですが、その方法でES細胞、TS細胞由来であるかどうかまでわかるのだろうか?という強い疑問を感じました。

2014年6月11日 STAP細胞第8番染色体トリソミー

トリソミー8とSTAP細胞

この報道が本当ならば生殖細胞に寄与しない※(1)8番トリソミー100%--四倍体胚盤胞で生まれた100%STAP細胞のキメラマウス129/Sv×B6GFP(Nature12968 fig.d)--の胎児は生じないのでは?と疑問を感じました。しかし下記で元データを確認したのですが系統が違う様子です。8番トリソミーが見つかったのは、C57BL/6 x 129/svでした。後日、遠藤高帆博士のトリソミー8論文が発表されますが、理研並びに各委員会はトリソミー8の件に関して何も判断されていないようです。

小保方氏らのSTAP細胞が、B6系統と129系統の雑種マウスの細胞から作られたことが確認された。
日経サイエンス号外2014年6月11日 STAP細胞 元細胞の由来論文と矛盾

NHK午後12時のニュースで発表後、即、科学雑誌「日経サイエンス」からオンラインでの号外pdfが出ました。今回の件でマスメディアはキャンペーンを組んでいますが、これは危険な方法ではないかと考えています。どんな報道でも間違いは何%か含むので、複数のメディア、特にテレビメディアが組んで一方向へ強く世論形成をすると、一斉に全員が間違った認識を持つ可能性が高まるからです。特に両論の報道が放送法で義務づけられているテレビは全く遵法されていないなと感じました。

トリソミーとSTAP細胞

公開情報からどのデータを調査したかは不明ですが、少なくとも2種類の細胞があり、そのうちの1種類は下記の理由でES細胞である疑いがあると日経サイエンス号外は結論していますが、いくつかの疑問点を散見しました。

1つはSMARTer、もう1つはTruSeq(いずれも商品名)と呼ばれるサンプル調整キットを用いて配列を解析したものだ。調べる細胞が同じであれば、両者の結果は一致する。
…SMARTerで調べたSTAP細胞には、すべての指標遺伝子が高いレベルで発現していた。先のSNP解析によって8番トリソミーがあったと判明したのはこちらのデータだ。8番トリソミーは、実験に使うために研究所などで保存しているES細胞株の2~3割に見られる、よくある現象だ。この細胞はES細胞であった可能性が高い。
日経サイエンス号外2014年6月11日 STAP細胞 元細胞の由来論文と矛盾

該当のゲノム解析・トランスクリプトーム解析データ解析のリストは下記表です。
タイトルで「RNASeq_SMARTer」とついている背景が濃い水色の行がSMARTer法で解析された、問題の8番染色体トリソミーがあったものです。ChIPSeq_inputを解析してもわからないだろうという専門家のご意見もあってのことか、遠藤博士も発表されていません。上記NHKの報道ではCD-1は論文に掲載されていないとのことでしたが、オンラインリストには掲載されています。
8番染色体トリソミーがあったSMARTerで解析されたデータは、全て「C57BL/6 x 129/sv」(オスがC57BL/6(=B6)、メスが129/svの交雑マウス)のようです。
Experiment design
SMARTer Ultra Low RNA Kit & Kapa Library Prep Kit
TruSeq RNA Sample Prep Kit v2

Experiment Accession タイトル strain系統 発達段階
SRX472650 CD45陽性細胞; RNASeq_SMARTer_Rep2 C57BL/6 x 129/sv CD45 positive cells
SRX472649 CD45陽性細胞; RNASeq_SMARTer_Rep1 C57BL/6 x 129/sv CD45 positive cells
SRX472648 低pH、CD45陽性細胞; RNASeq_SMARTer_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472647 低pH、CD45陽性細胞; RNASeq_SMARTer_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472646 ES細胞; RNASeq_SMARTer_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472645 ES細胞; RNASeq_SMARTer_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472644 桑実胚期の胚; RNASeq_SMARTer_Rep2 C57BL/6 x 129/sv morula stage embryos
SRX472643 桑実胚期の胚; RNASeq_SMARTer_Rep1 C57BL/6 x 129/sv morula stage embryos
SRX472642 胚盤胞段階の胚; RNASeq_SMARTer_Rep2 C57BL/6 x 129/sv blastocyst stage embryos
SRX472641 胚盤胞段階の胚; RNASeq_SMARTer_Rep1 C57BL/6 x 129/sv blastocyst stage embryos
SRX472640 FI-SC(FGF誘発幹細胞); RNASeq_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472639 FI-SC(FGF誘発幹細胞); RNASeq_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472638 STAP-SC(STAP幹細胞由来); RNASeq_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472637 STAP-SC(STAP幹細胞由来); RNASeq_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472636 低pH、CD45陽性細胞; RNASeq_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472635 低pH、CD45陽性細胞; RNASeq_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Oct3/4 expressing cells
SRX472634 TS 細胞; RNASeq_Rep2 CD1 Trophoblast stem cells
SRX472633 TS 細胞; RNASeq_Rep1 CD1 Trophoblast stem cells
SRX472632 ES細胞; RNASeq_Rep2 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472631 ES細胞; RNASeq_Rep1 C57BL/6 x 129/sv Embryonic stem cells
SRX472630 エピブラスト幹細胞; RNASeq_Rep2 129/sv Epi stem cells
SRX472629 エピブラスト幹細胞; RNASeq_Rep1 129/sv Epi stem cells
SRX472628 CD45陽性細胞; RNASeq_Rep2 C57BL/6 x 129/sv CD45 positive cells derived from spleen(脾臓から)
SRX472627 CD45陽性細胞; RNASeq_Rep1 C57BL/6 x 129/sv CD45 positive cells derived from spleen(脾臓から)
マウスの場合、8番トリソミーは胎児のうちに死亡し、生まれることはない。
…中には染色体の一方だけで働く遺伝子や、mRNAの量が不均衡になる遺伝子もあるが、mRNAの全体を調べれば、B6系統のSNPと129系統のSNPが50%ずつ混ざったものが最も多いと予測される。
…ほとんどの染色体のmRNAでB6系統と129系統のSNPが50%ずつ見つかったのに、8番染色体だけはB6系統のSNPが全体の33%しかなく、67%が129系統のSNPだったという。
…8番染色体は、B6系統の染色体が1本、129系統の染色体が2本あるトリソミーになっていた可能性が高い。
…すると8番染色体に乗っている遺伝子の発現量が、染色体異常を持たないES細胞の1.3倍多かった。8番を除く1~19番と性染色体の遺伝子の発現量はES細胞と同じで、8番染色体がトリソミーだったことが、この解析からも裏付けられた。
…もうひとつ重要な点は、今回の遺伝子を解析したSTAP細胞は、その細胞のほとんど全部にトリソミーが生じていたということだ。論文によれば、STAP細胞は、複数の新生児マウスの脾臓から取った細胞を酸性溶液に浸け、初期化された細胞が集まってできた塊だ。
…今回の解析では、SNPの比率は1:2だった。STAP細胞全体で染色体の数の比は1:2、つまりこのSTAP細胞を作っている細胞のすべてに8番トリソミーが生じていたことになる。
トリソミーが生じるのは細胞分裂時だ。
…だがSTAP細胞は分裂・増殖はしない性質だ。トリソミーは培養中に生じたのではなく、STAP細胞の元になった細胞にすでにあったと考えられる。しかし元細胞を取った新生児マウスがすべて8番トリソミーだったということはありえず、何らかの別の細胞だったとみられる。
「日経サイエンス2014年6月11日号外」古田彩・詫摩雅子著

要約

ゆえに129系のXが2本、B6系のYが1本のトリソミーである可能性が高い

ゆえにSTAP細胞の元になった細胞は分裂前にすでにトリソミーであったはず。

ゆえにSTAP細胞は小保方氏が使用した組織は論文の新生児マウスからではなくおそらくシャーレーの中の培養細胞-ES細胞ではないか

日経サイエンス号外への疑問点

  1. 8番トリソミーがみられたSMARTerはSTAP細胞由来のものが無く(この点は勘違いだった)、より未分化な細胞等比較対象で用いられた他の細胞のデータの可能性があるのでは?対するTruSeq解析のデータには、STAP細胞由来のものが掲載されている。
  2. 共著者の門田満隆氏の博士論文はダウン症の研究のためトリソミーの解析に詳しく、ES細胞の混入がまず疑われる研究なのでmRNAデータチェックで気がつくはずではないだろうか。
  3. 8番染色体以外のSNPの比率が50%:50%は綺麗過ぎるのではないか。このデータは論文発表1月29日の23日後である2月20日公開となったそうで※(2)、その遅延した原因を調べる必要があると思われる。
  4. SMARTerで解析したものにだけ8番トリソミーが存在する可能性がみられたのは、もしかすると解析方法またはデータ掲載時のなんらかのミス(部分データの重複等)の可能性はないだろうか。
  5. "マウスの場合、8番トリソミーは胎児のうちに死亡し、生まれることはない。"の根拠に添えられていた論文が調べたのは想定している体細胞のものではなくES細胞の8個の8番トリソミーの卵子の発生で比較になるかどうか不明で、※(3)、それを根拠に「ほぼ生まれてこない」的表現はこれだけでは強すぎるのではないでしょうか。国立遺伝研の研究ではマウスではトリソミー8でも発生している。流産の原因ではあるけれど、人間でも色々な箇所のトリソミーの方が生まれている。
  6. ES細胞の2割が8番トリソミーだからSTAP細胞は実は培養細胞ES細胞ならば、STAP細胞の2~3割が8番トリソミーであるはずか、ほとんど全てがトリソミーなら、寧ろなんらかの理由で8番トリソミーを持った細胞が選択的に生き残ったという可能性のほうが高いのではないだろうか。(8番トリソミーは増殖スピードが違うという)
  7. STAP細胞はほとんど増殖しないので体細胞突然変異は考えられないと書いてあるけれどもほとんど増殖しないという根拠はどこにも存在しないと思われる。
  8. 染色体異常が無いES細胞との比較で遺伝子発現量が1.3倍という部分はなんのために比較をしているのか不明だけれど、これが本当にES細胞であった場合はなんらかの意味がある比較で、本来比べるべきは実験が想定している体細胞との遺伝子発現量ではないのだろうか。

これらからおぼろげに(笑)考えると、体細胞突然変異でトリソミーが発生した細胞が、ごくごく少量生き残り、70%の死滅した細胞がマクロファージに食われていた映像が撮影された可能性は捨てられない、と言えるのではないかと考えました。
日経サイエンスの情報が最も充実していて丁寧です。2014年6月25日には一連の記者会見をまとめたSTAP細胞特集記事が出る予定だそうです。(続く)

(続く)